「ローラースケートをはいた馬」

学校帰りの 木漏れ日の道に
「ぼうけんのとびら」の立て札のトンネルがありました。
犬やネコ 牛やフクロウ ヤギやくまやうさぎ… 
浮き輪を持ったビーバーが 並んでいました。





ローラースケートをはいた馬が言います。
「うす暗いので 私のしっぽをつかんでください」
すると 足にローラースケートが付いて
ザーザーガラガラ走り出しました。



「一滴の水もない 赤い砂漠でも 
凍えてしまうほどの 白い氷河でも
何千日になるかもわからない この長旅にも
あなたがたには 待ち遠しい未来があります」

馬は 高らかな声で 言いました。



「僕の 待ち遠しい未来はなんなの?」


「行きたくない日は 学校をお休みにいたしましょう
やりたくない宿題は してさしあげますから、
私と一緒に あなたの未来に 行きましょう。
あなたは 王様で 家来を連れているかもしれないのですから」


振り返ると でこぼこの動物達が にっこりついて来ます。
ザーザーガラガラ ザーザーガラガラ また進み出しました。



✦(絵は直接関係ありませんが、「緑色の馬」の出版時に
黒岩有希さんが描いてくださったものです)
https://www.instagram.com/yuki_7taka_/?hl=ja

✦(自作の「緑色の馬」(未完成)は、完成したものがあります)





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