「私のしるし」
新しい町に暮らす
スーパーで
財布を出そうと かばんを開けると
布の使い古しの薬入れが 目に飛び込む
知らぬ人ばかりだ あたりには…と
黒い靴に 目を落とした
私は これから
新しい顔を 持てる
声色を 変えてもいい
道を歩き 立ち止まったら
首を 左に折る癖を つけてもいい
虫眼鏡のように 指で丸を作り
信号機を 覗いてもいい
一着のワンピースを
毎晩 洗って干して
翌朝も 同じ服を着よう
地球にいっこの 月があるように
私に 一着の服がある
それが 私の しるし
新しい町に暮らす
スーパーで
財布を出そうと かばんを開けると
布の使い古しの薬入れが 目に飛び込む
知らぬ人ばかりだ あたりには…と
黒い靴に 目を落とした
私は これから
新しい顔を 持てる
声色を 変えてもいい
道を歩き 立ち止まったら
首を 左に折る癖を つけてもいい
虫眼鏡のように 指で丸を作り
信号機を 覗いてもいい
一着のワンピースを
毎晩 洗って干して
翌朝も 同じ服を着よう
地球にいっこの 月があるように
私に 一着の服がある
それが 私の しるし