はるかな国からやってきた

この本は、
「童話屋」さんが2003年に出版されたものです。

私が購入したときは、2006年の第11刷でした。


ずっと読もうと思っていて、全てを完全に読み終えてはいないです。
自分が見つけた谷川さんの感受性の、
要所要所を読んでしまったら、
もう、充分になってしまったのです。

作者の谷川俊太郎さんには、大変申し訳が立たないのですが、
私が、みつけた谷川さんの感受性を、
ここに少し書いて置きます。

また、この感受性を読んでしまった時、
谷川さんのお弟子さんである
みらいパブリッシングの松﨑義行さんの感受性の尊さ豊かさ細かさが重なりました。

松﨑さんも谷川さんの人類愛のごとき感性をお持ちでおられるように思えます。

谷川さんは、この十代の時、現在の地球に暮らす事を知っていたのでしょうか。
作家というものは、時代を背負うものだと思われますが、
生まれた時から、背負って生まれたように思います。




編集者の田中和雄さまの~編者あとがき~からです。

*****
「十代のノートから」では、
「幸福な生、不幸の生という区別はない。すべての生は幸福である。
現在僕がいきていることそれ自身が幸福」なのであり、
「人間と意識しただけで何か涙くんでしまう」と述懐します。

「我々のうしろに絶えず地球をそして全人類を意識して生きること。
郷土愛は認めるけれども愛国心はもう認めたくない。
人類愛、地球に対する愛がそれに代るべきだ」と語ります。

*****




「帰郷」     
私が生まれた時
私の重さだけ地が泣いた
私は少量の天と地でつくられた
別に息をふきかけないでもよかった
天も地も生きていたから

・・・

(二十億光年の孤独 拾遺 

~二十一、 二十二歳のころに書いた詩)


「いなくなる」

わたしたちは
いつか
いなくなる
のはらでつんだはなを
うしろでにかくし
おとうさんにはきこえない
ふえのねにさそわれて

わたしたちは
いつのまにか
いなくなる
そらからもらった
ほほえみにかがやき
おかあさんにはみえない
ほしにみちびかれて

*****


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