「手持ちのものから」

「手持ちのものから」

この草は おとといあたりから
やっと 天がどこにあるかを知って
涙で咳きこみながら 上がりだした




一本棒のあじさいは 私の夢のなかで

土の下には 
緑の矢のような茎が 
鉢の中を旋回している

と 自慢した 




雪の日が続き
今朝 朝陽をみつけたガラス玉が
私を振っておくれ と催促する

手持ちのものから 
季節は はじまる




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