フランスアンティークの銀のお皿を磨いて宮古島のサンゴをのせリネンの敷物を敷く
この頃はリネンの生地を買っている。1メートル1000円のそんなに高いものではないが、私にしてみたら高い。その半額の生地でもとても素敵なものがあるし、50センチカットで北欧風の300円の生地も見とれている。けれどもやはり、今年の夏はリネンが好きになってしまった。一度水通しをしないと出来上がった時の寸法が変わるので注意。これはマスクを作ったら、小さくなってしまった失敗で気づいた。けれど、小さなもので良かった。もしも大きなもの、テーブルクロスとかカーテンなどを作っていたら、ショックで3日間はうなだれている。第一、お高い。第二に、手縫い。だけど、手縫いというのは心に良いと思う。頭が破裂しそうなときほど、チクチクと手縫いをすると、頭も揉み解され、くつろいだ気分になるのだ。
このリネンの敷物は真ん中の赤いラインが耳になっているのでそれを中央のラインに使うべく縫い合わせた。丁度余り布で作ったので、左端のラインを内側に折って細い線をこれも勿体ないので残した。つぎはぎだけど、手触りは最高なんです。
明治生まれの祖母が、大きな窓のある部屋で冬の日にストーブも付けず綿入れはんてんを着て、日差しの行く方行く方へ自分の身体の角度を変えながら、一日中縫物をする。「日差しと向かい合う」その姿を見るのがとても好きだった。祖母なりに倹約し暮らしを楽しんでいたのだと思う。その大きな窓は夜になると星月夜になる。秋は窓の脇の金木犀が香る。なんて幸せな場所に暮らしていたのだろう。私は、祖母の「お針」姿にあこがれていたのだと思う。でなければ、亡くなった明治の祖母が平成になったあたりのときに、私に乗り移ったのだと思う。私は祖母と同じ事をしている。やはり冬の窓越しの日差しは暖かく、紫外線の事などすっかり忘れて以前は窓に向いて机を配置していた。光というのは素晴らしいものだと何百回思ったかしれない。
色んなものを断捨離して生きて来ても、これは手放さないというものがある。ひとつに、このフランスアンティークの銀のお皿だ。手にした時に1930年頃のものと聞いた。(本当か ?本当でなくても信じている。100年前のものならアンティーク、50年前からこちらのものはざっくりとレトロとかビンテージと聞く)。
真っ黒くなった銀のものは銀磨きのクリームやクロスが売っているが、とても時間が掛かるので、荒業で歯磨き粉やソースを塗って数回擦ると綺麗になる。真似しないでちゃんとクロスで磨いて頂いた方が良いのだけど、せわしない人は私のように歯磨きクルクルでやったら良いと思います。私はネックレスも歯磨きクルクルでやります。ただし、銀食器などは洗う度に乾いた布でぴかぴかに拭きあげて乾かすと黒くならないようです。
それでこのようにピカピカにして、友人に頂いた宮古島のサンゴや貝を並べたかったのです。一昨日まではこのサンゴはトロフィーのような形のガラスのコップに入れていたのですが、リネンの敷物を作りながら思いついてしまい、昨日の夜にすっかり整ったというわけです。部屋の模様替えもそうですが、「ここをこうしたい」というところから私という人は始まってしまうのです。
Uちゃんに貰ったシュワシュワのキャンドルホルダーと、ダイソーで買ったLEDのティライトキャンドルで、小さな部屋のひと所に夏の夜がやって来ました。