こころがニコニコしちゃうもの 常田メロン さく
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こころがニコニコしちゃうもの
常田メロン さく
第2回 絵本出版賞 優秀賞受賞作品(2019年出版)
(現在の絵本出版賞は12回、先輩作家さんです)
常田さんは、SNSで、
「物の声を聞いて言葉を書く」と書かれているので、
常田さんの文章を読む時は、
「なんて聞こえるんだろう」「なんて言っているんだろう」と
言葉に聞き耳を立ててしまいます。私からすれば、
「それはまるで、お腹の中の赤ちゃんの声を聞くようだ」と思います。
常田さんは「新生児の時の記憶がある」との事なのです。
とても神秘的だったり、不思議な言葉があります。
「景色と己が一体となるまでただひたすらに待ち、歌を詠む」と聞いた事があります。
常田さんも「景色や物と一体になっているのではないか」と感じます。
なれるものならなってみたいと私は思っています。
✦「こころがニコニコしちゃうもの」は、
「みんなたのしそうだな なんで ぼくつまんないのかな」という男の子と
いつも目をつむってばかりいる、じいじが出て来ます。
じいじの心の中にはニコニコしちゃうものがたくさんあって、
お風呂に入れば、目をつむって「富士山」まで描いてくれるのです。
私はお風呂のシーンがとても好きです。
二人で入りお湯が「ざっぶーん」と沢山こぼれおちる、
流れるお湯の豊かなことは、幸福に感じられます。
男の子は、一日外でつまらなかったとしても、
じいじとのお風呂が、すっかり帳消しにしてくれると思いました。
そういう時代が、昭和の家族団らんにありました。
祖父母が私をおぶって、毎日電車を見に連れて行ってくれた事を思い出しました。
常田さんの心に「時代が語ってくれて生まれた本ではないか」と思いました。
遠い記憶だった幼い頃を、思い出しました。
常田さんありがとうございます。
✦みらいパブリッシング紹介文
かけがえのない家族との時間を取りもどす絵本。
おじぃちゃんや、おばぁちゃんが同じ家に住んでいたころにはあったひとの温もり。
昭和の仕事人間だったじぃじが教えてくれる心の在り方、物の見方、
本当の幸せとは?
画面いっぱいに作者の思いを描き込んでいます。
✦常田メロン 作家・保育士・動揺詩人
日本児童文芸家協会会員
日本児童ペンクラブ会員
2014年から毎年、銀の鈴社主催の「子どものための少年詩集」に入選し掲載
常田メロンサイト: http://www.tsunedamelon.com/
みらいパブリッシング紹介ページ
https://miraipub.jp/books/1853/
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