「壁を置いて行く」

「壁を置いて行く」

季節がすぎていく 
にぎわう声を お腹に詰めて
次の町へ向かう

人々に 憧れを 配れたかな
配りきれなくても もう終しまい

時間が 来た
別れの挨拶は 仕様がなかったし
過ごした時間の1秒も 持てない
壁を 胸に折り畳む

次は 遠い遠い町へ行くから
生きた証なんて
もう 貰えなくていい

私は 家族も 仕事も 家も 何にしても
頼りない 人間だったんだよ

それなのに 遠い遠い街で
胸が凍える、壁がいる、

もう 私は暖かい
もう 私は喜ばしい
壁よ 奥深くて 触れなくなった 壁よ




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