「さよならの手紙」

「さよならの手紙」

さよならの手紙は 
何色がいいか
僕はわからない
一生わからないと思う

振り向いて 手をあげ 
また来るね と角を曲がる
「駅まで送るよ」
母が 何度も言った
「大丈夫だよ」 

瞳の中の母が
ダイヤモンドの原石を
ざく切りにしたような
涙をこぼした

一等級の 輝きと
一等級の 破壊が
道に 散りばんだ

母は 安い一眼レフで僕を撮った




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