「motherへ」

「motherへ」

声を 放り投げるように
故郷に 手紙を書いた

建築現場で 怒鳴られては
人の形が 無くなりそうだ
仕事が 空くと
月の無い 夜ばかり
電柱の灯りが
僕の影を 美味しそうに見るから
電柱に なってしまいそうだ

「一旗あげるまで帰れない」 

毎晩
破れた耳を抱いて 眠っているんだよ
かあさんは
僕を 弱虫だと 言うだろうか




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