「霜の便せん」

お元気でしたか
相変わらず 手芸屋に通っていますか
遥かなる 私の場所に
手芸屋が 無いので
あなたの いさみ足を
見ることが出来ませんでした
私の所に 手芸屋があれば
はるかなる所まで
何日かかるかわかりませんが
来てくれるでしょうか
楽しい気持ちでも
悲しい気持ちでも
縫い物をするあなたが
私は 好きなのです
朝早く
あなたの窓を トントン叩きます
「おはよう」を
私から言わせてください
今年こそ 私を 手芸屋に
成らせて くれませんか
いつも 毎年
「さよなら」は
言えない気持ちなのです