「ヴィクターのはいしゃさん」いずみまいこさん作

私は、この絵本を手にしてひと月以上手元に持っています。
読み終えてSNSで紹介したら、近所の歯医者さんのキッズルームに寄付しようと思っていました。だけど、それが惜しくなってしまったので、「SNSで紹介もしない、熟読もしない」で居ようと思いました。
正直に言うと、この本を読んで私は泣きました。



或る日、ドクターヴィクターの所にやって来たのは、歯並びを気にしてぜんぜん笑おうとしない、おばけの子供「エボニー」です。「友達が出来ない」とおばけのママが泣きながらいいました。
そこでドクターヴィクターは、「七色にひかるライトがついた矯正装置」をとりつけます。
すると口の中で、カラフルな花火が打ちあがり、おばけの子供が「これならたくさんわらえる」と言うのです。

私は、これだけの事が起きたら、沢山の人達がこの子に会いに来て、おばけの人生が変わってしまうと思いました。



やってきたのは、街の皆の悪夢を食べるしごとをしている「バクのMr.スナハラ」さんです。「最近り夢が、まずくてかたい物が多いので、歯の調子が悪く、ストレスで歯ぎしりをして眠れない」といいます。
バクは「水族館が大好きで水の中にいる生き物たちを見ると心が落ち着く」と言うと、ドクターヴィクターは、大きな水槽でバクの顔にマウスピースを作りました。するとバクは、「どんな仕事でもがんばれそう」と言うのです。

私は、まるで夢のような事が起きて、これも人生が変わって行くだろうと思いました。



こちらは、ティラノサウルスの化石「レオナルド」さんです。「なぜか日に日に歯がボロボロになっていく」というのです。すると、レオナルドの歯にはダイヤモンドの鉱山が出来ていて、それを発掘する生き物がいました。
ティラノサウルスの歯は最終的に発掘していた生き物たちに、ダイヤモンドを貼り付けて貰えるのです。
ティラノサウルスはダイヤモンドを持つ化石として世界で有名になります。

これは世界中の博物館を巡回する奇跡の化石になります。世界の子供達に会えるじゃないかと私は胸がいっぱいになりました。

この絵本は、ひとつひとつのエピソードに涙が出ます。優しくて思いやりがあって素敵な世界に出会えます。
作者のいずみまいこさま、ありがとうございました。




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