「ほんとうの明日」
「ほんとうの明日」
あれは 桜が降る道
手押し車のおばあさんを見つけた
梅雨の道々は
おばあさんは 紫陽花の蕾だったんだ
芝の汗がやけどする 神社公園を
目に 汗を垂らしながら通ったら
おばあさんを見つけた
「写真を撮ってもいい?
私、写真に言葉を付けているの」
「撮ってくれるの、嬉しいな ありがとう」
「インターネットにおばあさんを載せてもいい?」
「私を?どこにでも載せていいよ」
「これね 死んじゃった友達が 描いてくれたの
死んじゃった友達も 載せてくれる?」
「うん、いいよ!」
「死んじゃった友達に 明日が来るね」
「良かった おばあさんに会えて
一緒にパーマ屋まで 歩いて行くよ」