「春を忘れた日」

朝方に小さな誰かがベッドに来る
始めは肩に手を当てるだけだったのに
だんだんと宇宙人のような言葉を
耳にささやいた



不思議な言葉は
桃色のピアノの旋律になって
音色を奏でるようになった

いま いま いつ
あさっては もう来られない



ドクターショッピングに行く
私の後を付いて来て
しまいに手をにぎった

私の手の甲に 
雨の涙を ラリンと落として
小さい春が 願っている




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