「ご飯の敷物」
「ご飯の敷物」
季節がかわるとき
ご飯の敷物を
新しくしたい
新しい生地が欲しくて
喉の奥から 手が出はじめるんだ
そう言ったら
友達は 心の角っこで
壁に顔をつけて 笑うだろう
安い生地を見つけるまで
手芸屋に 16回は通うんだ
そう言ったら
友達は もう片方の心の角っこで
一本足のカカシを真似して 笑うだろう
出来上がって洗濯したら
片方の生地が 縮んでしまい
糸を引いてほぐしたら
ウエディングベール みたいなんだ
そう言ったら
友達は 心のブランコをキコキコ揺らして笑うだろう
もう いい加減にしてくれないか
二度と失敗しないで くれないか
私は生きているんだよ と、生地が悲しんだ
そう言ったら
私は 心の階段を逆立ち上がりしながら謝るだろう
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まち針をつけて縫う時
洗濯したら縮んだ時
無駄にはしないからと思う時