「鏡に洗礼を受ける」

玄関に重たい大きな鏡を置く事にした。

最初に見たときは、この鏡が大きく立派すぎて、鏡の存在がそら恐ろしく感じた。

この鏡は、物凄い強い波動を出しているように感じた。
やたらに、私の勝手に出来ないし、
ここに置いたら、この家が酔ってしまうものだとすら感じられた。

とにかく、取り付けて見てみようと、始まったら、
裏側に付いていた頭の先のとんがったフックネジに、右手の小指の腹をぐっさりと刺してえぐってしまった。

血がドボドボと出て来た。
「鏡に洗礼を受けた」と思った。

「鏡に洗礼を受けた」で、きっと合っていると思う。

「この家に私を置くならば、私という存在を知っていただく」と、鏡が言っているような気がした。

そういう事ってあると思う。

自分よりパワーのあるものを持つときは、
それを持つ「資格」を何らかの形で与えられるのではないか。

息子が花束を貰って来た。

私が預かる事にした。

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