あじさいを吊るす
本当は、6月の夏至の頃の、6の付く日に、商売繁盛のおまじないで、あじさいを吊るそうと思っていたけれど、
花が出来るのがいつもより、遅かったのかもしれない。
花がごろんごろん出来てくると、
叔母は、どんどんあじさいを持って来てくれた。
綺麗で純真で、これが一年に一回しか見られないと思うと、味わわなくてはと思ってしまう。
又あじさいは、持ちがいいので、少しくらい暑い部屋に置いても枯れないし、水が大好きらしいので、水さえあげていれば、期限が良い。
もう7月も終わりだから、最終の26日に吊るそうと私が言うと、そうしようと疑わない叔母の純粋さ。
それで7月26日は、何の日か調べてみると、
なんと、
★幽霊の日 と出て来た。
(1825(文政8)年江戸の中村座で『東海道四谷怪談』が初演された)
「魔除けになる・・」と言うと、「不気味だ」と、あまりいい顔しないので、違う記念日を探した。
ああ、これがいいか、と叔母に教えたのは、
★1788年 – ニューヨーク州がアメリカ合衆国の11番目の州となる。
ニューヨークは大都市、単純な叔母は、「繁盛しそう」とにんまりとした。
今年は、私は2房を2つ吊り下げた。
去年も2つ吊り下げたのを、叔母が、
「これは取って置かない方が良い、私が家に持って行って捨ててあげる」と言って、ひとつは、買い物かごにガサっと入れてつぶしてしまった。
だけど、もうひとつは、綺麗なままドライになったので、捨てられずにすんだ。
私なら、「取って置く」というだろうなと思った。
これで叔母のお店と私の家族の繁栄は間違いなく願われた。
叔母のお店は繁盛するだろうし、私の愚息たちも小銭を稼げるだろう。
これは「私のあじさい」
叔母に預けていたのを、ちょん切って来てくれた。
今は花瓶に挿してあるけれど、
葉が枯れる頃にはドライにしようと思っている。
私の所にやってきて、私に命を預けてしまったあじさいは、
やはり、形を残して咲かせたい。
あじさいの葉っぱもゴムで結わいて、水に挿した。
もしも、花が無くても、葉っぱだけでも部屋がいい空気になると思う。
ペクは、このように素晴らしい花束を、
二つ貰ったらしく、
私の所に持って来てくれた。
これで、私の家は、花だらけになっています。
仏壇も私の部屋も台所もテーブルの上も、とにかく花がいっぱいです。
これは、このまま吊るしました。
ドライになりそうです。