夏の片腕

「夏の片腕」

カーテンから 目を傾けて覗いている
小さな片腕を たらんとさせて
私が縫った 麻の敷きものを
見つめている




夏の布を買った 生地屋から
私の影帽子の中を ほほえみながら
ずっと 付いて来ていた




「部屋にあがれば」と敷物を置くと
空高い雲の浜で 遊んでいた
もういっぽうの 小さな腕が
夏のお母さんに おんぶしてやってきた




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