ペクの誕生日
ペクは会社に行く前にパイナップルとそれにかける練乳とグラタンを持って来た。
朝なのに、作って来たというから驚く。
他は、私が買い物に行って調達すると、前日に話していた。
ケーキは「チョコレート」だと言う。「生クリームがいっぱい入ったものは好きじゃない、絶対に食べない」と言う。言い方が面白い。嬉しいと調子付くから面白い。私にだけは思い切り、ああだこうだと言って来る。
しかし、先日、モンブランを二人で食べたばかり。
東京にいる彼女の大学生の息子が帰ってくるなら、呼ばない。息子とお祝いするのがいいと思った。けれども、都合で帰れないので、私が家に呼んだ。
食べ始めた私達は、一言も口を利かない。5分位して、ペクが「全然喋ってないね」と言い出して、大笑いした。
喋ってない時など、無い。
食べている時以外は無いのだ。
お腹がいっぱいになると、お寿司のネタだけを食べると言い出す。ペクはお稲荷が大好きで、それも、皮だけ食べると言う。勿体ない、あり得ないと思うけれども、
一年に一度の誕生日だから、言う事をなんでも聞いてやろうと思った。
だいたい、私がペクの残すシャリを食べる時があって、それは、腹立たしい。私はまるで、母のようになる。
汚した食器を次から次から片付ける。ちょこまかと、せわしい人なる。けれど、私はもともとせわしい人だと言われている。
先日、叔父達が来たときも、「ほんとにせわしいね」と叔母に言われた。
ペクが、朝出勤のときに、これを持って来てくれた。
先日のファンデーションの日焼け止めらしい。これは見本。
こういうのを貰うと、ペクが美容師だということを思う。
ペクはいつも母の髪を切ってくれていた。
母が出不精になると、ペクに頼りきりになった。
母も父も、ペクに髪を切って貰った。
これはもとの家の玄関です。