豪風のち虹の玉
夜半、
轟々の音でカーテンを開けると
白いビニール袋が
窓向こうを横切って行く。
この風は、
人間も吹き飛ばす勢いだと思う。
仕事から歩いて帰る息子にはどんな物が飛んで来るかわからない。
幼い頃、台風の時に、自分の家の前に、缶や段ボールや木材など、色々な物が飛びかっていたのを見た事がある。
父や母や祖母やお店の人達と、
ガラス戸の内側からしばらく眺めていた。
そして町の灯は、やけに明るい。
この豪風は翌日の昼まで続いた。
翌々日、幸せそうな虹の玉が部屋に壁を歩く。
サンキャッチャーが集めてくれた光です。
暖かい太陽の光。
穏やかな朝の町が見えます。