長靴とアイゼンを貰った
息子が私に長靴を買ってくれた。
アイゼンという「アイススパイク」も付けて買ってくれた。
クリスマスプレゼントだ。
嬉しかったので、昨日から1日飾ってある。
今朝は、太陽が赤かったので、日差しにあてて眺めた。
明日になっても飾っていると思う。
雪か雨が降ったら、おろそう。
この長靴にとっては、初雪がいい。
これまで私が使って来た長靴は、市内のビバホームで買った赤い長靴で、これが何年も何年もくたびれないものだから、洗っては干しして、使いこんできた。
お店の改装で毎日のように壁や天井をペンキ塗りしたときも、惜しげもなく使えた。
天井のペンキ塗りをするときは、この子がくれた白いストローハットを被っていた。掛けていた白いエプロンもペンキでカピカピになり、その恰好で毎日お弁当を買いにヨークベニマルに行っていた。
長靴は欲しいと思っていたけれど、こんなに汚れていても、
履いてしまえば、まだまだ使えるからと、買わないで済ませて来た。
けれども、くたびれているには違いない。
けれども、白い雪の中を歩いてしまえば、
赤い長靴は、際立って、
さほど悪くないように見えた。
この赤い長靴は、
小学生用だったのかもしれない。
だいたい丈が短い。私は足が小さいので、
たまたま子供の売り場でみつけてしまったもののように思える。
今日明日には、捨てはしないけれども、
だんだんに履かなくなってしまうのだろう。
そういう生き地獄のような事を、
例え長靴でも、させたくない。
だいたい私は、洋服も数を持っていない。
「旅人みたいだね」と弟に言われる。
今日は、曾祖母の命日だった。
写真が一枚も無い。
曾祖父がこの家と墓守を継いだのは、
他の兄弟がシベリアに行っていたからだと聞いている。
今度、叔父に聞いてみよう。
私はこの家の事を詳しく聞いてみたいといつも思う。
それから、部屋の壁の模様替えをした。
とても気分が変わり、飾りたい色が心の中に浮かぶ。
この絵は角尾蕗子先生に絵を教わった時に、二枚目に描かされた抽象で、とにかく画面を好きな色と形で塗りなさい言われたもので、私が考えている抽象と先生が考えている抽象が違っていた。先生は、どの色とどの色をまぜたらどういう色になるのかを教えたかったのかもしれない。色を発見した人の周りには皆が集まって、何と何をまぜてこの色になったという話していた。
だけども先生が亡くなって教室も無くなって、これは思い出の品になってしまった。
新春だから飾って見たら、部屋が明るく元気になった。
先生は102歳まで生きた。先生の手はやわらかかった。目を閉じれば、先生のご自宅やアトリエが見えて来る。懐かしい日々。又、教室の皆で会いたいなと思う。