霧の朝
霧の朝には滅多に巡りあわない。
夏の夜、那須ロープウエイに行く道をドライブすれば完全に霧に出会う事が出来ます。
昔、真夜中に独りで那須山をドライブして、行く度に警察に停められた事があります。
「また来たの?危ないから1人で来ない方がいいよ」と警官が言うのです。
子供が寝て、両親に見て貰っている真夜中に、何か壮大なものに会えるかもしれないとか、インスピレーションが降りて来るかもしれないと思い、出掛けていたのです。
警官は、
「こういう時間に来るのは、世の中になんの未練も無い人だけだよ」と私を諭すように言うのです。
「そんな事ないですよ、私は創作に良かれと思って来ているのです」と言ったものです。
ああ、霧が晴れました。
隠れていたのはこんなに綺麗な空だった。
「洗濯しなくちゃ」と私は思い立つのです。
その日は風が強くて、ススキもゆさゆさ揺れれば、毛布など厚手のものも乾きが早かったです。
夜、会津に行った親友ペクがお土産持って来てくれました。
紅白の貝の形の、和三盆のお千菓子です。
ハマグリの中に入っていました。
このような繊細な物を私に買って来る。
彼女が繊細かと言ったらたぶんそんなに繊細ではないと思います。
年寄りのように食べ物をこぼしても笑顔で食べられる性質です。私は、それをいつも拾います。
私は例えば、自分に対する良くない言葉が、0.1ミリ投げられて来ても身体に刺さる性質です。
これも彼女の手土産です。
一番右のカステラは自前で、近所のストアで買いました。
アーモンドカステラというものでとても安いのですが、3分の1か4分の1に切りわけて、ひとつずつラップに包み食べます。そのまま丸ごとひとつは食べないです。勿体ながりです。