夜中から雪をみていた。
真夜中に仕事に出掛ける友人が居る。その人を思いながら外の雪を見ていた。
白々と朝になりかける時に、朝方からお掃除の仕事に行く友人がいる。その人の事を思いながら雪をみた。
すっかり朝になった時、街がしんとして何の音もしないので、こんなに小さな町とちっぽけな私は、こんなに小さな雪の中で孤島捨て置かれたようにうろたえているように感じた。
急に本降りなった時、マンションの外壁に作った鳥の巣から、駐車場に毎日落ちる鳥の白い毛と白いフンが、すっかり消えてもう落ちないだろう、落ちない方がいいと思いながら雪を見た。
雪は翌日の夕方には水浸しになって、その次の日の太陽には芝生の雪も溶けた。長靴を天日に干して買い物に出たら、石を飲み込んだ雪だるまが片目と片手を無くして立っていた。この雪だるまを作った子の事を思うと、胸がツンと痛くなった。